昭和9年創業の老舗洋傘店

平成30年度 第12回おもしろマーケティング大賞
最優秀


 昭和9年(1934年)に当地豊島区南長崎で創業。以来85年続く老舗の洋傘専門店である。以前は「卸売」も行っていたが、現在は「小売」のみで「ビニール傘から高級洋傘」まで顧客のニーズに合った洋傘を販売している。柄の数ではデパートに負けない丈夫な洋傘約2,500本が小さな店舗に所狭しと並べられており、豊島区における唯一の洋傘専門店としてその存在を示している。

 しかし当店が広く人の知るところとなった要因はこれだけではない。それ以上に大きな要因は、2代目の主人・岩井富士夫氏が熱心に取り組んできた「傘の修理」にある。傘を使い捨てにする風潮が主流である中、「アンブレラマスター」の称号を持つ岩井氏は、洋傘のスペシャリストとして、これまで4000本もの洋傘を修理。数少なくなった「洋傘の修理ができる店」として高い評判を得て「口コミ」で顧客を呼び込み、豊島区の「地域ブランド」となっていることにある。

   

受賞ポイント
1. 限定性 豊島区で1軒の洋傘専門店
2. カスタマイズ 傘の修理
3. 口コミ 池袋のデパートでも修理店として紹介

「アンブレラマスター認定者」による傘修理

 店主の岩井富士夫氏は日本では数少ない「アンブレラマスター認定者」として、これまで4000本もの洋傘を修理してきた洋傘のスペシャリスト。その技術には定評がある。この傘の修理が豊島区の広報誌で取り上げられただけでなく、テレビ東京の「出没!アド街ック天国」、フジテレビの「天気予報」、朝日新聞・日曜版にも紹介された。また池袋にある2つの大手デパートの傘販売員も大切な傘の修理は当店を紹介している。

 これらに加えて利用者の「口コミ」もあり、思い出のある傘、手放したくない傘を修理できるという噂を聞きつけ、豊島区だけでなく遠方からも顧客が来店している。

豊島区南長崎にある「本質を大切にする隠れた名店」

 行き過ぎた「消費社会」に対する反省が見られるようになっている。それと同時に「循環型社会」であった江戸時代が見直されている。江戸時代のリユース、リサイクルの様子、物を大事に何度も使う「循環型の持続可能な社会のあり方」を学び、その知恵を現代に活かす、という動きが出てきている。

 傘は使い捨てが当たり前となっている現在、当店が販売する、丈夫な傘骨を使用し修理体制も備えた「一生モノ」の傘は、今後の持続可能社会形成に向けた動きに対し一石を投じるものでもあり、購入を検討する価値はある。

 また、もしあなたが天上の世界と行き来する時にメリーポピンズが使用しているような貴重な傘、思い出のある傘、手放したくない傘を家の片隅で見つけたのなら、その傘に再び命を吹き込むために当店を訪れられてはいかがでしょうか。

店舗情報


店舗情報
フクヤ洋傘店
住所 東京都豊島区南長崎5丁目32-6
業種 小売
   

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