NPO設立の趣旨

設立の趣旨  平成17年7月13日
(1)現状・背景
 
   シュンペーターの言葉を借りれば、経済の発展・経済活動の活性化のためには企業家によるイノベーション(創造と破壊)が必要とされているが、我が国の経済活動状況を見るにつけ、必ずしも創造と破壊(創造的破壊)が進展しているとは言いがたい。中小企業白書などを見ても、中小企業においては依然、廃業率が開業率を上回っている状況である。一方、企業家精神を持った一般市民が、新たに起業・創業しようとする場合、イノベーションを含む新たなビジネスモデルの構築、開業資金の手当て、開業までの諸手続き、顧客の開拓(マーケティング)、マネジメント、人材採用など、克服すべき課題は多い。成熟した資本主義段階の我国においては、なおのこと、創業に至るまでの障壁は高い。また、創業後も予期せぬ様々なリスクが伴い、長期に継続企業として存続していくのもなかなか難しい。
(2)問題点
  
こうした状況を受け、国、地方自治体、独立行政法人、商工会議所、民間団体などでは、新たな創業を促すべく、創業支援施策や創業支援活動を実施している。だが、これらの創業支援施策・活動が十分なものかといえば、残念ながら否である。特に、地域によってはバラツキがあり、我々が活動の主たる地域と考えている豊島区においても、その支援は十分とはいえない。創業支援の公的制度(相談・融資など)はあるが、創業のノウハウ・諸手続きの情報提供、創業後のフォローアップ、専門家・商工団体・起業成功者・金融機関・学者間の連携による支援など、不十分な面が多い。また、国、地方自治体は、いまや緊縮財政が当たり前であり、今以上の公的な創業支援施策は期待できそうもない。
(3)望ましい姿
  
地域による支援のバラツキをなくし、公的支援では不十分なきめ細かい創業支援を行うためには、専門家や行政・商工団体等が連携し、安価で良質な創業支援を行う非営利の組織が必要になる。
(4)新たな取り組み
    そこで、特定非営利活動法人としま創業ネットワークを設立する。この法人は、豊島区その他の地域において、専門家や行政・商工団体等と協力・連携して、広範な人材を登用し、起業・創業を目指す一般市民に対して、創業支援のためのセミナー・講演会・創業相談会開催、創業希望者に対するコーディネート機能提供、ホームページによる開業に伴うノウハウ・FAQ集の掲載・提供、創業後5年程度までの企業・個人に対するフォローアップなどの事業を行う。こうした取り組みにより、一般市民の起業・創業を促し、その結果として地域における集客力を高め、もって地域経済の活性化に寄与することを目的とする。
(5)NPO法人の必要性
     以上の活動を継続して行うには、行政や商工団体等との連携が必須であり、そのためには法人格を持った特定非営利活動法人が必要になる。特定非営利活動法人としま創業ネットワークは、創業支援を通して、長期・安定的に地域経済の活性化に寄与する所存である。
                                                                                                            


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